15.平成29年度(上期)の筆記試験問題の解答
平成29年の上期に実施された第二種電気工事士の筆記試験問題の解答を載せています。
また、電気理論の計算問題の答えを導き出す途中式の解説をしていますので計算問題の対策時に活用してみてください。
平成29年度の問題は、一般財団法人電気技術者試験センターのホームページからダウンロードすることができます。
このページの目次
平成29年度(上期)の筆記試験の解答
平成29年度(上期)の第二種電気工事士の筆記試験の全問題の解答です。
筆記試験日:平成29年6月4日(日)
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 | 問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
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イ | ニ | イ | ニ | イ | ハ | ロ | ハ | ロ | ニ |
問11 | 問12 | 問13 | 問14 | 問15 | 問16 | 問17 | 問18 | 問19 | 問20 |
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イ | イ | ハ | ロ | イ | ハ | ニ | ニ | ロ | ニ |
問21 | 問22 | 問23 | 問24 | 問25 | 問26 | 問27 | 問28 | 問29 | 問30 |
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ニ | ハ | ロ | ハ | ハ | ロ | ハ | ロ | イ | ニ |
問31 | 問32 | 問33 | 問34 | 問35 | 問36 | 問37 | 問38 | 問39 | 問40 |
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ハ | ニ | ロ | ハ | ロ | ニ | ロ | イ | イ | イ |
問41 | 問42 | 問43 | 問44 | 問45 | 問46 | 問47 | 問48 | 問49 | 問50 |
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ハ | ニ | ニ | イ | ロ | イ | ハ | ロ | ロ | ニ |
計算問題の解き方と解答
平成29年度(上期)の第二種電気工事士の筆記試験に出題された計算問題の計算方法と解答を載せておきますので、試験勉強の際に活用してみてください。
問1
実際の問題の回路図を次のように書き換えてみるとわかりやすくなると思います。
回路図を置き換えてみると、左側の回路と右側の回路に分けることができました。
左側の回路は5Ωの抵抗が接続された並列回路なので、並列合成抵抗を計算してください。
右側の回路は並列回路ですが、下側には抵抗が接続されていないので、電流は5Ωの抵抗を流れるのではなく下側を流れていきます。並列回路では、ショートしている枝分かれがあれば0Ωなので、右側の回路は0Ωとなります。
したがって、左側の回路の並列抵抗のみを計算すれば答えは導き出せることがわかります。
答えは、2.5[Ω]です。
- 合成抵抗の計算方法は2.合成抵抗の計算方法を勉強してください。
問2
問題で与えられている値は、電源電圧=204[V]、抵抗の両端の電圧=180[V]、リアクタンスの両端の電圧=96[V]です。
負荷の力率を計算する時は、電源電圧と抵抗の両端の電圧を使い次のように計算します。
答えは、88[%]です。
問3
導体の抵抗を計算する時は、次の公式を必ず覚えてください。
ρ=抵抗率、A=断面積、L=長さ、D=直径
与えられた値を使ってAの抵抗値とBの抵抗値を計算すると次のようになります。
Aの抵抗はBの抵抗の何倍かという問いなので、Aの抵抗値÷Bの抵抗値をしてもらえれば答えはでます。
7.8÷3.9=2となるので、答えは2倍です。
- 詳しくは、1.導体の抵抗を勉強してください。
問4
力率を改善するということは無効電力が減るということなので無駄なエネルギーが減ります、
したがって、理屈で考えれば、コイル成分で使われる電流が無くなるので力率を良くすると電流値は減少することがわかります。
- 詳しくは、7.交流回路の電力を勉強してください。
問5
三相交流回路のスター結線での相電圧の計算式は、線間電圧/√3で計算できます。
線間電圧=200[V]なので、200/√3≒116[V]です。
では、c-o間の抵抗が断線した場合はどうでしょうか。200[V]が2つの抵抗に加わっていることになるので、1つの抵抗では200/2=100[V]が加わっています。
したがって、断線前の電圧は116[V]、断線後の電圧は100[V]となります。
- 詳しくは、8.三相交流回路を勉強してください。
問6
配線の電圧降下を求める問題では、まずは、回路全体に流れる電流を計算するとすんなり答えがでます。
負荷の消費電力=1500[W]、負荷の両端の電圧=100[V]なので、電流を計算すると1500/100=15[A]です。
※電流値は消費電力の式から導き出せます。
電線の電気抵抗は1000m当たり5[Ω]なので、電線10mでは0.05[Ω]です。
※計算する時は、1000:5=10:Xという比を使うと簡単に計算できます。
回路図を見ると電線は20mの長さがあるので0.1[Ω]です。
電圧を計算する式は、電流×抵抗なので、15×0.1=1.5[V]となります。
したがって、配線の電圧降下は1.5[V]です。
- 詳しくは、9.単相回路を勉強してください。
問7
直径2.0mmの絶縁電線(単線)の許容電流は35Aです。
金属管の中には電線を2本収めるので電流減少係数は0.7を使います。
したがって、電線1本当たりの許容電流は次の式で求められます。
電線1本当たりの許容電流=35[A]×0.7≒24[A]
- 詳しくは、10.絶縁電線の許容電流を勉強してください。
問8
幹線の太さを決める電流の最小値の問題が出てきたら、まずは、電動機と電熱器の定格電流の合計値を計算しましょう。
電動機の定格電流の合計値は、10+30=40[A]、電熱器の定格電流の合計値は、15+15=30[A]です。
※問題の図に書かれているMは電動機、Hは電熱器のことを表しています。
電動機の定格電流の合計値が50[A]以下の場合は、(1.25×電動機の定格電流の合計値)+電熱器の定格電流の合計値をすれば電流の最小値が計算できます。
したがって、(1.25×40)+30=80[A]となるので、幹線の太さを決める電流の最小値は80[A]です。
- 詳しくは、11.幹線の許容電流を勉強してください。
問9
イ.配線用遮断器が20Aの分岐回路には、直径1.6mm以上の電線の太さが必要で、コンセントは20A以下のものが接続できます。
ロ.配線用遮断器が30Aの分岐回路には、直径2.0mmの電線は接続できません。
ハ.配線用遮断器が20Aの分岐回路には、直径2.0mmの電線は接続でき、20Aのコンセントは接続できます。
ニ.配線用遮断器が30Aの分岐回路には、直径2.6mm以上の電線の太さが必要で、20A以上30A以下のコンセントが接続できます。
したがって、ロが正解です。
- 詳しくは、13.幹線から分岐する分岐回路を勉強してください。
問10
問題で与えられている値は、分岐回路の電線の許容電流=42[A]、幹線の配線用遮断器の定格電流=50[A]です。
まずは、次の式を使って分岐回路の電線の許容電流と幹線の配線用遮断器の定格電流との比を求めましょう。
式に数値を当てはめると、(42/50)×100=84[%]となります。
電線の許容電流が幹線の配線用遮断器の定格電流の55%以上となる場合は、a-b間の長さの制限はないのでどの距離でも設置することができます。
- 詳しくは、13.幹線から分岐する分岐回路を勉強してください。
問11
絶縁ブッシングを使う目的は、電線の被覆に傷をつけないようにすることと絶縁することです。
- 詳しくは、2.電線管の種類を勉強してください。
問12
白熱電球よりもLEDランプの方が寿命は長くなります。
間違えやすいのは、LEDランプの方が力率が高いのではと思うかもしれませんが、交流を直流に変換する時に高調波を含むのでLEDランプの方が力率は低いです。
問13
同期速度の式を見てもらうとわかりますが、極数が同じなら電源周波数が低くなると回転速度は低くなります。
- 詳しくは、14.三相誘導電動機を勉強してください。
問14
壁に穴を開けて電線管を固定する作業は電気工事では頻繁にあるので覚えましょう。
コンクリートの壁に金属管を取り付ける時は、振動ドリル(ヒルティなど)で穴を開けた後に、その穴の中にカールプラグを挿入します。最後にサドルのくぼみに金属管を入れて、ドライバーで木ねじをカールプラグにねじ込んでいきコンクリートの壁に金属管を固定します。
問15
パワーコンディショナとは、一般家庭の電化製品などを使えるようにする為に直流を交流に変換する機器のことです。
問16
写真は、硬質塩化ビニル電線管を切断する時に使う工具です。
問17
- 漏電警報器:漏電を検知すると音で知らせてくれる機器のこと。
- 電磁開閉器:過電流が流れた時に回路を遮断してモーターの損傷を防ぐ機器のこと。
- 漏電遮断器:電気が漏れた時に回路を遮断する機器のこと。
- 配線用遮断器:過電流が流れた時に遮断する機器のこと。
漏電遮断器と配線用遮断器は見た目が同じように見えますが、漏電遮断器には、感度切り替え装置、漏電表示装置、テストボタンがついています。写真はそれらのボタンがついていないので配線用遮断器であることがわかります。
問18
写真は、照度計です。
本体の上の方についている白い部分に光を当てて明るさを測定する計器です。
アナログメーターの盤にはlxという単位が書かれているので、計器を見たことがない方でも照度を計測する計器だろうということが推測できます。
問19
屋内配線の特殊場所では、ケーブル工事はどの場所でも工事を行うことはできますが、MIケーブル以外では防護装置の中にケーブルを入れて施工することになっています。
- 詳しくは、1.ケーブル工事を勉強してください。
問20
配線用遮断器には極と素子という言葉があり、2極の配線用遮断器には、2P1Eと2P2Eがあります。
2極1素子の配線用遮断器は、素子がない端子に中性線を接続して使います。
どういう配電方式の時に2P1E又は2P2Eを使うことができるのか使い分けができるようにしましょう。
- 詳しくは、2.遮断器の動作時間と極と素子を勉強してください。
問21
ケーブル工事、金属管工事、合成樹脂管工事(CD管除く)はすべての屋内場所で工事することができます。
問22
屋側の配線は金属線ぴ工事で行うことは認められていません。
問23
D種接地工事は直径1.6mm以上の軟銅線を使います。
漏電遮断器は、水気がない場所で機械器具の対地電圧が150V以下の場合は省略できます。
D種接地工事は、動作時間が0.5秒以内の漏電遮断器をつけると接地抵抗値は500Ω以下にすることができます。
移動する電気機械器具の金属製外箱の接地線には多心キャブタイヤケーブル1心を使うことができます。
- 詳しくは、2.接地工事の種類を勉強してください。
問24
検相器は、主に3相誘導電動機などで電線の位相を調べて回転方向を確認する時に使います。
電動機の回転速度を測定する時は回転計を使います。
問25
電気設備の技術基準の解釈の第14条の低圧電路の絶縁性能では、絶縁抵抗測定が困難な場合には漏えい電流が1mA以下であるれば絶縁性能を有していることとみなすと書かれています。
問26
電池式の接地抵抗計で測定する時の注意点は、電池切れになっていないかチェックする、ライン端子とアース端子を短絡して指示針の0点を調整する、地電圧が許容値以下の製品を使う、補助極を5~10m離すことです。
問27
電流計は負荷に対して直列に接続、電圧計は負荷に対して並列に接続、電力計は電流コイルは負荷と直列に、電圧コイルは負荷と並列に接続します
- 詳しくは、3.測定器の接続方法を勉強してください。
問28
電気工事の作業中は電気工事士免状を携帯していなければいけません。
問29
勘違いされている方が多いですが電気工事士でなくても作業できるものはいくつかあります。
- ロ.電圧600V以下で使用する電力量計の取り付け作業は電気工事士でなくてもOK。
- ハ.電線を支持する柱の設置作業は電気工事士でなくてもOK。
- ニ.電圧600V以下で使用する差込み接続器へのコードの接続作業は電気工事士でなくてもOK。
- 詳しくは、2.電気工事士法を勉強してください。
問30
経済産業省では、電気用品安全法で特定電気用品として116品目を定めており、その中にタイムスイッチが含まれています。