3.他の負荷への配線の複線図の描き方
他の負荷への配線図とは、電灯と点滅器のみの回路ではなく、他の負荷が使えれるように電源線を延ばした回路のことです。
複線図の描き方は、基本的に電灯と点滅器と同じなので難しくありません。
ここでは、電灯1つ、点滅器1つ接続されている1灯点滅回路に他の負荷を使えられるようにした配線図(単線図)を複線図に書き換える方法の作業手順を紹介しています。
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他の負荷への配線の複線図について
上の図は、電源から延びている線に電灯と点滅器(電灯のスイッチ)が接続されていて、さらに、電源から右側に延びている線で他の負荷を使えれるようにした配線図(単線図)です。
要するに、電灯は点滅器を使ってON/OFFさせ、他の負荷は単独で接続する配線図です。
実際の電気工事の現場では、他の負荷への配線工事も電気工事を行う時の基本となる回路ですし、技能試験にもばっちり出題されますので複線図の描き方をしっかり覚えてください。
電灯、点滅器、他の負荷が接続されている配線図(単線図)を複線図に書き換えるコツは、
- 電灯と点滅器の複線図の描き方
- 他の負荷の複線図の描き方
の両者を組み合わせて描くだけです。
複線図の描き方の基本は、今までに電灯と点滅器の配線とコンセントの配線を勉強してきたのでわかりますよね。
電源のプラス側から出て行った電気が器具を通って電源のマイナス側に戻ってこれたら正しい複線図です。
複線図の描き方に慣れてきたと思いますが、いろいろな配線パターンの複線図が描けれるように何回でも描いて頑張ってください。
電灯と点滅器と他の負荷の単線図を複線図に変換する方法
それでは、電源線を電灯と点滅器と他の負荷(器具)を使えれるように延ばした上の回路図の複線図を考えていきましょう。
手順1
まずは、それぞれの器具(電灯、点滅器、その他の器具)に接続する電線の本数は何本必要なのかを考えましょう。
必要な電線の本数は、
- 電源:2本
- 電灯:2本
- 点滅器:2本
- その他の器具:2本
となるので、下の図のように、電源、電灯、点滅器から2本の線を描きます。
※点滅器とはスイッチのことです。
また、電源と電灯1つとスイッチ1つから延びる線はプラスとマイナスの2つの接点がありますので電線の本数を2本ずつ用意すると考えてもいいでしょう。
電源は理解しやすいように、プラス・マイナスで書かれていますが、プラスとは非接地側又はHotのこと、マイナスとは接地側又はColdのことです。
ここからは、わかりやすくする為に、電源のプラス→スイッチ→電灯→電源のマイナスという電気(電流)の流れを意識して考えていってください。
手順2
なにかしら見覚えがある回路図ですよね、他の器具へ電源線が延びているだけで電灯と点滅器の複線図の描き方と同じ配線方法のように思いませんか。
そうです。同じ配線方法です。
少し違うところは、電灯と点滅器の配線方法から他の器具へ電源線を延ばしてもらえたら正解の複線図になります。
つまり、電源線が延びているか延びていないかの違いしかありませんので、電灯と点滅器の配線方法の知識があれば簡単に描くことができると思います。
電灯と点滅器の配線方法にしたがって配線してもらえば構いませんが、少し方法を変えて今回は電灯のプラスとスイッチのマイナスから延びている電線を接続してみます。
手順3
まだ接続していない電線は、電灯のマイナスとスイッチのプラスの電線が1本ずつ残っていますよね。
最後は、電灯とスイッチの電線を電源から延びているプラスとマイナスの電線に接続するのですが、その時に電気がどのように流れるのかを意識して接続するようにしてください。
電線を接続させた後の電気の流れは、電源のプラス(非接地側)→スイッチ→電灯→電源のマイナス(接地側)の順に電気が流れるように接続させたら完成です。
電気の流れがこの順番となるようにするには、スイッチと電源の非接地側、電灯と電源の接地側を配線すると正常に動作させることができます。
他の負荷には電源線が2本延ばしてあるので電気を使うことができますよね。
したがって、電灯と点滅器と他の負荷の回路の複線図は下図で完成となります。
もし、配線を間違えてしまい、電源のプラス(非接地側)→電灯→スイッチ→電源のマイナス(接地側)のような電流の流れとなるように接続してしまった場合はどうなるでしょうか?
スイッチと電灯の配線順序を逆にしても大丈夫なような気がしますが、スイッチをOFFにしている場合でも電灯の接点には電圧が発生していますのでスイッチの使い方が間違っています。すぐに配線を正しく直してください。