2.コンセントの複線図の描き方
コンセントは、電源と並列に接続して施工する配線器具です。
コンセントが1つでなく複数個あっても電源と並列に接続するというルールがあるので、このルールを忘れずにしっかり覚えてください。
ここでは、コンセント1つ、電灯1つ、点滅器1つ接続されている配線図(単線図)を複線図に書き換える方法の作業手順を紹介しています。
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コンセントを接続した複線図について
上の図は、電源から延びている線の端に電灯と点滅器(電灯のスイッチ)が接続されていて、さらに、電源から延びている線の途中にコンセントも接続されている配線図(単線図)です。
要するに、1つの電灯は1つの点滅器を使ってON/OFFさせ、コンセントは単独で接続されている配線図です。
実際の電気工事の現場では、コンセントを接続する配線工事も前項で勉強した電灯と点滅器のみを接続する配線工事と同様に、電気工事を行う時の基本となる回路ですし、技能試験にもばっちり出題されますので複線図の描き方をしっかり覚えてください。
電灯、点滅器、コンセントが接続されている配線図(単線図)を複線図に書き換えるコツは、
- 電灯と点滅器の複線図の描き方
- コンセントの複線図の描き方
の両者を組み合わせて描くだけです。
複線図の勉強を始めて間もない頃は、複線図を描くと頭が混乱してきて難しいように感じますが、電源のプラス側(非接地側)から流れた電気(電流)が電源のマイナス側(接地側)に流れるという電気の流れを意識して考えてもらうとわかりやすくなると思います。
ですので、電源のプラス側から線をたどっていって点滅器(スイッチ)と電灯を経由してマイナス側へ戻ってこれるように線が描いてあれば正しい配線が施してあると思ってください。
逆に、電源のプラス側の線からたどっていって器具を経由してマイナス側にたどり着けなかったら間違っている複線図を描いていることになるので、その場合は正しい配線となるように描き直してください。
複線図の描き方のコツがわかるまでは頭が混乱すると思いますが何回でも描いて頑張ってマスターしてください。
コンセントの複線図の考え方
それでは、配線図にコンセントが接続されている時の単線図を複線図に書き換える方法を考えて見ましょう。
電灯と点滅器(スイッチ)を使った回路では、ごちゃごちゃしていてわかりにくかったかもしれませんが、コンセントを使った回路は単純ですので非常にわかりやすいと思います。
コンセントを接続する時に必ず覚えておかなければいけない知識は、電源とコンセントは並列に配線しなくてはいけないということです。
どうして並列にしなければいけないのかというと、例えば、電源電圧が100Vでコンセントが2つ接続されている下の図で説明すると、コンセントを2つ直列に接続してしまうと、2つのコンセントで100Vの電圧が掛かってしまいます。
ですので、コンセントを1つ配線して使うと100Vですが、2つ配線して2つ同時に使うとコンセントにつないだ電化製品の抵抗値によって電圧が分圧されコンセント1つあたりの電圧は100Vではなくなります。
つまり、コンセント1つずつに電源電圧と同じ100Vの電圧を発生させる為には、コンセントをいくつも直列に接続したらダメであることがわかります。
では、電源とコンセントを並列に接続するとどうなるのかというと、下の図のように、それぞれのコンセントには常に100Vが掛かるようになります。
したがって、コンセントを電源から延びている線と並列に接続してしまえば大丈夫ということになります。コンセントの複線図を描く時は忘れないようにしてください。
コンセントの単線図を複線図に変換する方法
それでは、電灯と点滅器(スイッチ)とコンセントの3つの器具を使った上の回路図の複線図を考えていきましょう。
手順1
まずは、それぞれの器具(電灯、点滅器、コンセント)に接続する電線の本数は何本必要なのかを考えましょう。
必要な電線の本数は、
- 電源:2本
- 電灯:2本
- 点滅器:2本
- コンセント:2本
となるので、下の図のように、電源、電灯、点滅器、コンセントから2本の線を描きます。
電源は理解しやすいように、プラス・マイナスで書かれていますが、プラスとは非接地側又はHotのこと、マイナスとは接地側又はColdのことです。
ここからは、わかりやすくする為に、電源と電灯と点滅器の回路、電源とコンセントの回路に分割させて考えていきます。
手順2
次は、電源と電灯と点滅器の回路の複線図を考えてみます。
電灯の配線は点滅器を経由させなければいけないことを 1.電灯と点滅器の複線図の描き方 で勉強しましたよね。
※電源と電灯の間に点滅器を接続しないと電灯は常時点灯してしまいますし、電源と電灯と点滅器を並列に接続して点滅器をONにするとショートしてしまいます。
したがって、電源と電灯と点滅器の回路の複線図は下の図のようになります。
電気の流れを考えると、赤い矢印のように電源の非接地側から点滅器と電灯を通って電源の接地側に流れるので正しい配線です。
手順3
電源と電灯と点滅器の複線図ができましたら、最後は、電源とコンセントの回路の複線図を考えてみます。
コンセントの配線は、下の図のように電源から延びている線と並列にコンセントを接続させるだけです。
電気の流れを考えると、赤い矢印のように電源の非接地側からコンセントを通って電源の接地側に流れるので正しい配線です。
したがって、電灯と点滅器の回路にコンセントを接続した時の複線図は下図で完成となります。
もし、電灯と点滅器がなくてコンセント単体のみの接続だったら、とても簡単に複線図に変換できますよね。