8.応用問題B(電灯2つ、スイッチ2つ、コンセント1つの複線図の練習)
応用問題Bは、1箇所にある2つのスイッチで2つの電灯をON/OFFさせて、コンセントが1つついている回路図です。
複線図の描き方は、基本的に電灯と点滅器とコンセントと同じ作業内容なので難しくありません。
ここでは、電灯2つ、スイッチ2つ、コンセント1つが接続されている配線図(単線図)を複線図に書き換える作業手順を紹介しています。
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電灯2つ、スイッチ2つ、コンセント1つの単線図を複線図に変換する方法
下の回路図は、1箇所に配置した2つの点滅器(スイッチ)で別々の2つの電灯をON/OFFする回路とコンセントが1つ接続してある回路の2つの機能を持った回路図です。
今まで勉強してきた、電灯と点滅器の複線図、コンセントの複線図の描き方の知識を使って、下の回路図を複線図に置き変える練習をしてみましょう。
この2つの基本の事柄がわかっていれば簡単に単線図を複線図にすることができます。
なお、単線図を複線図に置き換える基本知識を理解していない方は、電灯、点滅器、コンセントの勉強をやり直してください。
注意:スイッチ(点滅器)の右側に添え字で書かれている「イ」「ロ」は電灯のイとロのスイッチのことです。
手順1
まずは、それぞれの器具に使う電線の本数は何本必要になるのか考えましょう。
上の単線図を見てもらうと、電源、電灯2つ、コンセント1つ、スイッチ2つが描いてありますよね。
電気は電源のプラス(非接地側)から電源のマイナス(接地側)に流れていく性質があるので、それぞれの器具で最低でも電線は2本必要になることがわかります。
1つ当たりのスイッチには電線は2本必要になり、スイッチ2つだと電線は4本になりますよね。この場合はスイッチは一か所に2つ付いていますので、非接地側の電線を2つのスイッチで渡り線を施し共通にして、接地側だけ別々にする方法が望ましいです。
したがって、必要な電線の本数は、書きかけの下の複線図のように、
- 電源:2本
- 電灯イ:2本
- 電灯ロ:2本
- コンセント:2本
- スイッチ:3本(プラス側が共通になっているため)
が必要になるので、電源、電灯、コンセントから2本ずつ、スイッチからは3本ずつ線を描いてください。
電源は理解しやすいように、プラス・マイナスで書かれていますが、プラスとは非接地側又はHotのこと、マイナスとは接地側又はColdのことです。
手順2
次は、コンセントの配線を考えましょう。
今までたくさんコンセントの複線図を描いてきたのでわかりますよね。コンセントを電源から延びている電線と並列に接続してください。
コンセントの接続方法は、下の複線図のように電源と接続すれば電気の流れは大丈夫です。
手順3
次は、スイッチイと電灯イの配線について考えましょう。
この作業も、今まで複線図の練習をしてきたスイッチと電灯の知識があれば簡単にできます。
スイッチイと電灯イの接続方法は、下の複線図のように、電源プラス(非接地側)からスイッチイ・電灯イを通って電源マイナス(接地側)に電気が流れるようにつないでください。
手順4
最後は、スイッチロと電灯ロの配線について考えましょう。
この作業も、上のスイッチイと電灯イの接続方法と同じです。
スイッチロと電灯ロの接続方法は、下の複線図のように、電源プラス(非接地側)からスイッチロ・電灯ロを通って電源マイナス(接地側)に電気が流れるようにつないでください。
接続すると下の複線図となります。
これで、電灯2つ、スイッチ2つ、コンセント1つ単線図を複線図に変換する作業は完了です。
複線図に描いた各線に色を付ける方法
電灯2つ、スイッチ2つ、コンセント1つの複線図の描き方は理解できたでしょうか。
理解できた方は、次は描いた線に色を付けていきましょう。
なぜなら、実際の電気工事では電線の絶縁被覆に、2芯VVFケーブルは黒色と白色、3芯VVFケーブルは黒色と白色と赤色という色が付いているからです。
したがって、間違った色付けをして配線してしまうと正常に動作ができなくなります。どの線とどの線を配線すればいいのかは色で判断しているので、電線の色付けは重要な作業と思ってください。
基本的な色の付け方は、電源の接地側(マイナス側)に接続する線は白色、電源の非接地側(プラス側)に接続する線は黒色がルールです。
その色を書いたら適切に電線をつなぎ合わせれるように残っている色を書いて作業を進めてください。
※3芯VVFケーブルの赤色と白色が逆になっても構いません。
施工上のルールで各線の色を記入した複線図は上の図になります。これで複線図の色付けの作業は終わりです。