オームの法則の覚え方と問題の解き方(第二種電気工事士の筆記試験対策)

第二種電気工事士

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3.電流・電圧・抵抗の関係を表したオームの法則の覚え方

第二種電気工事士の筆記試験には、電気理論として、オームの法則(電圧、電流、抵抗)の問題が出題されます。

電圧(V)とは、電流に加える圧力のことです。

電流(I)とは、導体中を流れる電気の量のことです。

抵抗(R)とは、電流の流れを妨げることです。

オームの法則を使って、回路の電圧・電流・抵抗値を計算する問題は試験に出題される確率が高いので、問題の解き方をしっかり覚えてください。

このページの目次

オームの法則の覚え方

オームの法則とは、電流、電圧、抵抗(電気抵抗)に対する比例、反比例の関係を表したものです。

回路に流れる電流は電圧に比例し抵抗に反比例するという関係をドイツの物理学者のオームが見つけたことにより、電流、電圧、抵抗の比例・反比例の関係のことをオームの法則といいます。

算数や理科が苦手な方は、比例・反比例といわれてもいまいちピンとこないと思いますが安心してください。オームの法則は図を使えばわかりやすく理解することができますので、まずは下の図を見てください。

オームの法則を図を使って説明

この図の円の中には、V、R、 I というアルファベットが書かれていますが、V=電圧、R=抵抗、I=電流のことを表しています。
※電気の世界では、V又はE=電圧、R=抵抗、I=電流は当たり前のように出てきますので覚えてください。

上の図のアルファベットの意味が理解できたところで、上の図の円の中から計算して求めたい値(V、R、Iのうち1つ)を円の外に出してイコールの記号をつけてみると次のようになります。

円の中からV、R、Iを外に出す

この作業を行うことによって、学生の時に勉強した見覚えのある式に見えてきませんか?

上の図から円と状況に応じて縦線や横線を除いてもらって下の式と比べてみてください。

気が付いた方もみえると思いますが、電流、抵抗、電圧を求めるオームの法則の公式になりました。
※実はオームの法則は学生の時の理科の授業で勉強しています。

オームの法則の式

ここで、先ほどの「回路に流れる電流は電圧に比例し抵抗に反比例する」という意味の説明ですが、上の電流を求める式であるI=V/Rは、比例するとはI=V、反比例するとはI=1/Rということを表しています。

もう少し詳しく説明すると、I=Vは、電圧を2倍にすると電流も2倍になる、I=1/Rは抵抗を2倍にすると電流は1/2倍になるので、比例・反比例という言葉が使われています。

これまでオームの法則について説明してきまいたが、結局は、電流、抵抗、電圧を掛けるか割るかするだけですので難しく考える必要はありません。オームの法則がわからなくなったら、円の中にV、R、 I を書いて式を思い出しましょう。

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電流、抵抗、電圧の働きの覚え方

オームの法則がなんとなく理解できた方は、電流、抵抗、電圧の働きを簡単にまとめましたので覚えてください。

電流の働き・公式・単位
説明:電流とは、導体中を流れる電気の量のことです。電流の値が大きい程、1秒間当たりに流れる電気の量は多くなります。
公式:電流=電圧÷抵抗=V/R
単位:A(アンペア)
抵抗の働き・公式・単位
説明:抵抗とは、電流の流れを妨げて流れにくくする働きをします。導線に1Aの電流が流れ、導線の2点間に1Vの電圧が掛かっていたら、その2点間の抵抗は1Ωとなります。
公式:抵抗=電圧÷電流=V/I
単位:Ω(オーム)
電圧の働き・公式・単位
説明:電圧とは、電流を流すための圧力を加える働きをします。電位差が大きい程、大きな電流を流すことができます。
公式:電圧=電流×抵抗=I×R
単位:V(ボルト)

電流は電気の量、抵抗は電流を妨げる、電圧は圧力を加える働きをするといわれても、実際には電気は目に見えないものなので理解しにくいですよね。

電気を理解するには水の流れを想像してもらうのが一番わかりやすいと思います。

私たちが住んでいる地球では重力によって水は上から下に流れますよね。水平に近い場所では水の流れは弱いですが、斜面が急になるにつれて勢いよく水は流れ出します。

また、高い位置から落下させると水の圧力は高いですが、低い位置から落下させると水の圧力は弱いです。途中に石などの抵抗物があれば水の流れは弱くなりますし、水の量が多ければ長い時間流れ続けることができ、様々な条件によって異なってきます。

では、水の流れを電気に当てはめてみるとどうなるでしょうか。私が考えるには次のように置き換えることができると思います。

  • 水の量と水が流れる時の傾き(水流)=電流
  • 水が蓄えられている高さ(水圧)=電圧
  • 水路に転がっている石(抵抗物)=抵抗

このように電気の流れを水の流れに置き換えて勉強してもらうと、もやもやしていた電気の知識のもやが晴れると思います。

上記で説明したオームの法則の図と公式は、電気の問題を解く時にとても重要なものですので、忘れないようにしましょう。

それではオームの法則を使って下の問題を解いて力をつけましょう。

オームの法則の練習問題を解いてみよう

次のオームの法則に関する問題を解いて力をつけてください。

問題2や問題3のような、抵抗が直列と並列に接続されている回路の電圧・電流を計算する問題はよく出題されますので、試験までに必ず解けれるようにしておいてください。

問題1

抵抗Rが接続されている回路に電圧100[V]を加えたら電流5[A]が流れた。オームの法則を使って抵抗Rの値はいくらになるか求めよ。

考え方:抵抗を求める式は電圧÷電流です。電圧=100V、電流=5Aを使って計算してください。

答え:100÷5=20なので、抵抗R=20[Ω]となります。

問題2

次の回路に電流 I=2.5[A]を流した時、電圧V、V1、V2の値はいくらになるか求めよ。

オームの法則を使って電圧を求める問題

考え方:電圧を求める式は電流×抵抗です。

電圧V1は、20Ωの並列合成抵抗を計算してから求めましょう。
※上の回路図で20Ωの抵抗が並列に接続されている場所の並列につながっている抵抗値はどちらも同じ値なので、この場合は電流を半分にして電圧を求めても構いません。

Vは、V1とV2を足し合わせれば求められます。

20Ωの並列回路の合成抵抗を計算する方法は次の通りです。

並列合成抵抗

答え:V1、V2、Vの電圧は、次のようになります。

オームの法則を使って電圧を求める答え

問題3

次の回路に電圧100[V]を加えた時、電流 I、I1、I2の値はいくらになるか求めよ。

オームの法則を使って電流を求める問題

考え方:電流を求める式は電圧÷抵抗です。

 I2は、20Ωの並列回路と30Ωの直列回路の合成抵抗を計算してから求めましょう。

IはI1とI2を足し合わせれば求められます。

20Ωの並列回路と30Ωの直列回路の合成抵抗は、次のようになります。

並列合成抵抗

答え: I1、I2、Iの電流は、次のようになります。

オームの法則で電流を求める答え
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