平成30年度(上期)の計算問題の解き方と解答(第二種電気工事士筆記試験の過去問題)

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17.平成30年度(上期)の筆記試験問題の解答

平成30年の上期に実施された第二種電気工事士の筆記試験問題の解答を載せています。

また、電気理論の計算問題の答えを導き出す途中式の解説をしていますので計算問題の対策時に活用してみてください。

平成30年度の問題は、一般財団法人電気技術者試験センターのホームページからダウンロードすることができます。

このページの目次

平成30年度(上期)の筆記試験の解答

平成30年度(上期)の第二種電気工事士の筆記試験の全問題の解答です。

筆記試験日:平成30年6月3日(日)

平成30年度(上期)の筆記試験の解答
問1問2問3問4問5問6問7問8問9問10
問11問12問13問14問15問16問17問18問19問20
問21問22問23問24問25問26問27問28問29問30
問31問32問33問34問35問36問37問38問39問40
問41問42問43問44問45問46問47問48問49問50
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計算問題の解き方と解答

平成30年度(上期)の第二種電気工事士の筆記試験に出題された計算問題の計算方法と解答を載せておきますので、試験勉強の際に活用してみてください。

問1

スイッチSの部分の並列回路は、スイッチSを閉じると電流は抵抗値がセロに等しいスイッチSの方に流れるようになります。

つまり、スイッチSを閉じると、次のような回路図になります。

スイッチSを閉じた時の回路図

a-b端子間の電圧は赤丸の中の抵抗の電圧と同じ値なので、赤丸の中の抵抗の電圧を求めてもらえば答えは出てきます。

a-b端子間の電圧と赤丸の中の抵抗の電圧は同じ

したがって、a-b端子間の電圧は50[V]です。

問2

50Hzを加えたときのリアクタンスを求めます。

(問2途中式)50Hzの時のリアクタンスの求め方

自己インダクタンスを次の式で求めます。

(問2途中式)自己インダクタンスの求め方

60Hzを加えたときのリアクタンスは次のようになります。

(問2途中式)60Hzの時のリアクタンスの求め方

したがって、求める電流は次のようになります。

(問2答え)答えとなる電流の求め方

答えは、5[A]です。

問3

導体の抵抗の問題を解く時は、次の公式を覚えてください。

導体の抵抗を計算する公式
ρ=抵抗率、A=断面積、L=長さ、D=直径

上記の式を覚えていれば答えは出ます。

導体の抵抗の式からわかることは、電線の抵抗は、Lに比例、Dに反比例するということです。

要するに、Dが大きくなると抵抗が小さくなるので許容電流は大きくなり、Dが小さくなると抵抗が大きくなるので許容電流は小さくなります。

温度については特に関係がありません。

問4

熱量の計算式は、H=I2R×時間(秒)です。

与えられている時間は1時間なので3600秒を使って熱量を計算してみると、

  • 15[A]×15[A]×0.2[Ω]×3600[s]=162000[W・s]

のように計算できるので、162000[W・s] = 162000[J]となります。

答えは、162[kJ]です。

なお、熱量[J]とは[W・s]のことなので、1[W・s] = 1[J]となります。

問5

三相交流回路のスター結線での線間電圧の計算式は、√3×相電流×負荷のインピーダンスで計算できます。

相電流は20[A]、負荷のインピーダンスは6[Ω]なので、線間電圧=√3×20×6≒208[V]となります。

問6

配線の電圧降下を求める問題では、まずは、回路全体に流れる電流を計算するとすんなり答えがでます。

負荷の消費電力=2000[W]、負荷の両端の電圧=100[V]なので、電流を計算すると2000/100=20[A]です。
※電流値は消費電力の式から導き出せます。

電線の電気抵抗は1000m当たり3.2[Ω]なので、電線1mでは0.0032[Ω]です。
※計算する時は、1000:3.2=1:Xという比を使うと簡単に計算できます。

回路図を見ると電線は32mの長さがあるので0.1024[Ω]です。

電圧を計算する式は、電流×抵抗なので、20×0.1024=2.048[V]となります。

したがって、配線の電圧降下は2[V]です。

問7

電源からb点までの電線の抵抗による電圧降下は次の式で求めます。

  • 電圧降下=10×0.2=2[V]

したがって、a-b間の電圧は次の式で求められます。

  • a-b間の電圧=104ー2=102[V]

答えは、102[V]です。

問8

直径2.0[mm]の絶縁電線(単線)の許容電流は35[A]です。

金属管の中には電線を4本収めるので電流減少係数は0.63を使います。

したがって、電線1本当たりの許容電流は次の式で求められます。

電線1本当たりの許容電流=35[A]×0.63≒22[A]

問9

分岐点から過電流遮断器までの距離が6[m]なので、幹線の過電流遮断器の許容電流の35%以上必要です。

したがって、a-b間の電線の許容電流の最小値は=100×0.35=35[A]となります。

問10

イ.配線用遮断器が20Aの分岐回路には、直径1.6mm以上の電線の太さが必要で、15Aのコンセントは接続できます。

ロ.配線用遮断器が20Aの分岐回路には、直径2.0mmの電線は接続でき、20Aのコンセントは接続できます。

ハ.配線用遮断器が30Aの分岐回路には、直径2.6mm以上の電線の太さが必要で、30Aのコンセントは接続できます。

ニ.配線用遮断器が30Aの分岐回路には、15Aのコンセントは接続できません。

したがって、ニが正解です。

問11

定格電流が20[A]の配線用遮断器に25[A]流れるということは、1.25倍の電流が流れることになるので、動作時間は最大で60分です。

問12

IV線の絶縁物の最高許容温度は60℃です。

問13

同期速度は、120f/Pという式を使って計算します。

f=60[Hz]、P=4極なので、式に代入すると次のようになります。

  • 同期速度=120×60/4=1800

答えは、1800[min-1]です。
※min-1とは、rpmのことです。

問14

金属管を切断する時は金切りのこ、金属管を曲げる時はパイプベンダを使います。

やすりは切断時に出るバリ取りを行う時に使います。

問15

白熱電球よりもLEDランプの方が寿命は長くなります。

間違えやすいのは、LEDランプの方が力率が高いのではと思うかもしれませんが、交流を直流に変換する時に高調波を含むのでLEDランプの方が力率は低いです。

問16

この問いに写っている写真はクリックボールという工具です。

リーマと組み合わせて金属管の面取りを行う時に使います。

問17

この問いに写っている写真はTSカップリングです。

合成樹脂管(硬質塩化ビニル電線管:VE管)どうしを接続する時に使います。

問18

この問いに写っている写真は50μFの進相用コンデンサです。

力率を改善する目的で使います。

問19

直径1.6mmを1本と直径2.0mmを1本圧着する時は小スリーブで小ダイスを使います。

直径2.0mmを2本圧着する時は小スリーブで小ダイスを使います。

直径1.6mmを4本圧着する時は小スリーブで小ダイスを使います。

直径1.6mmを2本と直径2.0mmを1本圧着する時は小スリーブで小ダイスを使います。

なお、問題に出てくる○のマークとは極小ダイスで圧着した時に刻印されるマークのことです。

問20

乾燥していて点検できない隠ぺい場所の屋内配線は、問の答えの中から選ぶと合成樹脂管が該当します。

問21

湿気が多い場所では1種金属製可とう電線管での施工は認められていません。2種金属製可とう電線管を使って施工してください。

問22

ロ.絶縁物の上で取り扱うのでD種接地工事を省略できます。

ハ.対地電圧100Vの場合は、金属管の長さが8m以下なのでD種接地工事を省略できます。

ニ.対地電圧200Vの場合は、金属管の長さが4m以下なのでD種接地工事を省略できます。

問23

合成樹脂管工事は、造営材に1.5m以下で支持します。

問24

テスターは、電圧、電流、抵抗値の測定に使います。

漏れ電流の測定はクランク式の漏れ電流計を使います。

問25

被測定回路に電源電圧が加わっていない状態で測定します。

問26

D種接地工事が必要な使用電圧100Vの自動販売機があり、地落した時に0.1秒で遮断する遮断器が設置されている場合の適切な接地抵抗値と絶縁抵抗値を問う問題です。

まずは、接地抵抗値ですが、D種接地工事は100Ω以下の抵抗値が必要です。但し、漏電遮断器が設置されていて動作時間は0.1秒なので接地抵抗値は500Ω以下となります。

絶縁抵抗値は、対地電圧が150V以下の場合は0.1MΩ以上必要です。

問27

問いの記号は、可動鉄片形で垂直に置いて使う計器という意味です。

問28

基本的に自家用電気工作物(500kW未満)の工事は第一種電気工事士でなければ従事できません。

但し、自家用電気工作物(500kW未満)であっても第ニ種電気工事士の免状を持っていれば管の設置はできますが、電線の接続はできません。

問29

電気用品の製造の事業を行う者は一定の要件を満たせば特定電気用品にひし形の中にPSEと書かれたマークを表示することができます。

また、特定電気用品以外の時は、丸形の中にPSEと書かれたマークを表示できます。

なお、どちらかのマークの表示がない製品は販売してはいけませんし、電気工事で使ってもいけません。

問30

一般用電気工作物の適用を受けるのは低圧(交流は600V以下)で受電する電気設備の場合です。

高圧で受電するものは自家用電気工作物に分類されます。

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