電気設備技術基準(電圧区分、対地電圧、臨時配線)の解説と問題の解き方(第二種電気工事士の筆記試験対策)

第二種電気工事士

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3.電気設備技術基準・解釈(電圧区分、対地電圧、臨時配線)

電気設備技術基準・解釈は電気設備に関する技術基準を定める省令に関する法律のことです。

電気工事士は電気設備技術基準に従って電気工事を行い安全な状態となるように維持管理しなければいけないことになっています。

電気設備技術基準・解釈の勉強で重要なことは、電圧区分と電路の対地電圧の制限について理解することです。

電圧区分と電路の対地電圧の制限は試験に出題されやすいのでしっかり覚えてください。

このページの目次

電気設備技術基準・解釈の基礎知識

電気工事士の免状を取得して電気工事を行う者や電気工事士の補助作業をする者は、電気設備に関する技術基準を定める省令(電気設備の技術基準といわれるもの)や電気設備の技術基準で定める技術的要件や内容をできるだけ具体的に示した電気設備の技術基準の解釈に従って工事現場で安全に施工しなければなりません。

また、施工後も安全に電気設備を使えるように維持管理しなければいけません。

実際の現場では、電気設備の技術基準の解釈をさらに具体化した内線規定を使って、設計、施工、維持、検査、管理を行っていることが多いです。

電気設備技術基準・解釈の出題頻度は低いですが、第二種電気工事士の筆記試験で出題されやすい問題といえば、電圧の区分、屋内電路の対地電圧、臨時配線などです。以下に述べますのでしっかり覚えてください。

電圧の種別等(電気設備の技術基準の第2条)

電圧の区分は、次のように、低圧、高圧、特別高圧の3つに分類されます。

  • 低圧:直流では750V以下、交流では600V以下
  • 高圧:直流では750Vを超えて7000V以下、交流では600Vを超えて7000V以下
  • 特別高圧:直流・交流共に7000Vを超える

電路の対地電圧の制限(電気設備の技術基準の解釈の第143条)

住宅の屋内電路の対地電圧は、150V以下であることです。

但し、定格消費電力が2kW以上の電気機械器具及びこれに電気を供給する屋内配線を次により施設する場合はこの限りでない。

  • 屋内配線は、当該電気機械器具のみに電気を供給するものであること
  • 屋内配線の対地電圧は300V以下であること
  • 屋内配線は、簡易接触防護措置を施すこと
  • 電気機械器具には、簡易接触防護措置を施すこと
  • 電気機械器具は、屋内配線と直接接続して施設すること
  • 電路には、専用の開閉器及び過電流遮断器を施設すること
  • 電路には、電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること

臨時配線の施設(電気設備の技術基準の解釈の第180条)

次の場合は、臨時配線として使用することができます。

がいし引き工事により施設する使用電圧が300V以下の屋内配線
その設置の工事が完了した日から4カ月以内に限り使用するものを、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)で、乾燥した場所で展開した場所に施設する場合。
がいし引き工事により施設する使用電圧が300V以下の屋側配線
その設置の工事が完了した日から4カ月以内に限り使用する場合。
※展開した雨露にさらされる場所においては、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線、引込用ビニル絶縁電線及び引込用ポリエチレン絶縁電線を除く)を使用し、電線相互の間隔を3cm以上、電線と造営材との離隔距離を6mm以上として施設すること。展開した雨露にさらされない場所においては、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)を使用して施設すること。
がいし引き工事により施設する使用電圧が150V以下の屋外配線
その設置の工事が完了した日から4カ月以内に限り使用するものを、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)で、損傷を受けるおそれがないように施設し、屋外配線の電源側の電線路又は他の配線に接続する箇所の近くに専用の開閉器及び過電流遮断器を各極に施設する場合。
但し、過電流遮断器が開閉機能を持っている場合は、過電流遮断器のみとすることができる。
使用電圧が300V以下の屋内配線
その設置の工事が完了した日から1年以内に限り使用するものを、コンクリートに直接埋設して施設する場合。
※ケーブルで低圧分岐回路にのみ施設し、電路の電源側には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置、開閉器及び過電流遮断器を各極(過電流遮断器は多線式電路の中性極を除く)に施設すること。
但し、過電流遮断器が開閉機能を持っている場合は、開閉器を省略することができる。

電気設備技術基準・解釈の練習問題を解いてみよう

次の電気設備技術基準・解釈に関する問題を解いて力をつけてください。

問題1、問題2のような、低圧・高圧区分、屋内電路の対地電圧の制限の関係を問う問題はよく出題されますので試験までに必ず解けれるようにしておいてください。

問題1(低圧、高圧、特別高圧の電圧区分の問題)

電気設備の技術基準で定められている電圧区分で次の記述は正しいか答えよ。

  • イ.低圧は直流にあっては750V以下
  • ロ.低圧は交流にあっては750V以下
  • ハ.高圧は交流にあっては600Vを超え7000V以下
  • 二.特別高圧とは7000Vを超えるものである

考え方:直流の場合は、低圧は750V以下、高圧は750Vを超えて7000V以下、特別高圧は7000Vを超えるもの。

交流の場合は、低圧は600V以下、高圧は600Vを超えて7000V以下、特別高圧は7000Vを超えるもの。

答え
イ.正しい
ロ.誤りです。交流の低圧は600V以下です。
ハ.正しい
二.正しい

問題2(屋内電路の対地電圧の制限の問題)

定格消費電力2kW以上の電気機械器具を施設する屋内配線工事の方法で次の記述は正しいか答えよ。

  • イ.電線は人が容易に触れないように施設する
  • ロ.電気機械器具は、屋内配線と直接接続して施設する
  • ハ.電路は専用の開閉器および過電流遮断器を施設する
  • 二.電路は地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する

考え方:その他役に立つ情報として、電気機械器具内の電路を除く屋内電路の対地電圧は150V以下にしなければいけませんが、定格消費電力が2kW以上の電気機械器具や、これのみに電気を供給するための屋内配線をする場合は、300V以下で使用することができます。

答え
イ.正しい
ロ.正しい
ハ.正しい
二.正しい

問題3(屋内配線の時の臨時配線の問題)

がいし引き工事により施設する使用電圧300V以下の低圧屋内配線で、臨時配線として使用できる期間は工事が完了した日から何ヶ月以内か答えよ。

答え
4ヶ月以内

問題4(屋外配線の時の臨時配線の問題)

使用電圧150V以下の屋外配線で、専用の開閉器及び過電流遮断器を施設した場合は(電線が損傷を受ける恐れがなく、配線に絶縁電線を使用した時)、臨時配線として使用できる期間は工事が完了した日から何ヶ月以内か答えよ。

答え
4ヶ月以内

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