直流の電気と交流の電気の用途と特徴

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4.直流の電気と交流の電気の雑学

私たちが普段の生活で使っている電気は、直流、又は交流という2種類の電気の性質があります。

直流とは、極性が変化しない電気のことで、乾電池や車・バイクのバッテリーに使われています。交流とは、極性が変化する電気のことで、家の壁のコンセントから取り出す電気は交流が使われています。

普段の生活の中で電気の性質なんて特に気にかけなくても支障はありませんが、この機会に、直流と交流の電気は何が違うのか知識を身に着けてみてはいかがでしょうか。

このページの目次

私たちが使っている電気の種類

電気の種類

私たちは、現代の日常生活において電気は当たり前のように使っていますね。

例えば、

  • テレビを見る
  • パソコンを使う
  • 電子レンジで食事を温める
  • スマホを充電する
  • 車のエンジンをかける

など、何気なく電気を使っていると思いますが、電気には、直流(DC:direct current)と交流(AC:alternating current)という2種類があることはご存じでしょうか。

直流と交流はどちらも電気ですが、電気の性質が違うので使われている場所が異なります。

一般的には、交流は電圧の変換が比較的簡単に行えるので、発電所で発電した電気を一般家庭のコンセントまでの送電・配電に使われており、電気機器に搭載されている電子回路は直流で動作するので、コンセント以降で交流を直流に変換して使われています。

交流の良くないところは現在の技術では交流の電気を貯めることができないことです。直流の電気は貯めることができるので、乾電池、充電池、車のバッテリーなどは直流の電気を貯めて用途に応じて使っています。

直流の電気の雑学

直流の電圧や電流の大きさを図で表すと次のような形となります。

直流の電圧・電流の特性図

直流とは、時間の経過によらず常に電流や電圧の大きさは同じ極性(プラスとマイナスを交互に繰り返しているという極性の変化はない)であるものをいいます。

直流の代表的なものといえば乾電池があります。マンガン電池は1.5V、パナソニックエネループなどの充電式の電池は1.2Vが電気機器に供給できますよね。

また、スマホや携帯電話の電池パックは、コンセントに差し込んだACアダプター(AC-DC変換器)から得た交流の電気を直流に変換して電気を貯め込んでいますし、テレビやパソコンなどの多くの電気機器の内部にある電子回路は直流(交流を直流に変換後)の電気で動作しており、直流は一般家庭内のいろいろな機器に使われています。

では、直流回路に加わる電圧や流れている電流の値を知りたい時はどうすればいいのかというと、テスター(電圧計、電流計)を使えばわかります。

テスターは、アナログ式でもデジタル式でも構いませんので、次のように接続してください。

  • 電圧が知りたい場合:電圧の値が知りたい箇所の負荷に対して電圧計を並列に接続
  • 電流が知りたい場合:電流の値が知りたい箇所の負荷に対して電流計を直列に接続

また、抵抗値が知りたい場合は、負荷に対してテスターのレンジ切り替えスイッチを抵抗測定レンジにした状態で赤黒のプローブを並列に接続してください。
※アナログテスターではゼロオーム調整をしてから抵抗値を測定しないと変な値を示すので注意してください。

価格が高いですが、デジタルマルチメーターでは、電圧、電流、抵抗測定の他に、温度、コンデンサの容量、クランプメーターで電流、周波数なども測定できます。

また、テスター(電圧計)があればバッテリーの残量チェックにも役立ちます。

乾電池のチェック
1.2V以下であれば乾電池の交換が必要です。
※乾電池は電圧が徐々に下がりますが、充電池は電圧が一定値を推移した後に急に下がる特性があるのでチェックしにくいです。
車の12Vバッテリーのチェック
エンジンを掛けない状態で12.6Vあれば正常です。

このように、テスターがあれば端子の電圧が調べられるので1台持っていれば便利です。

交流の電気の雑学

交流の電圧や電流の大きさを図で表すと次のような形となります。

交流電圧・電流の特性図

交流とは、時間の経過とともに電流や電圧の大きさがプラス極とマイナス極を周期的に交互に変化(極性が変化)するものです。

交流の代表的なものとしては、一般家庭のコンセントに供給されている商用の電気が挙げられます。

私たちが日常生活で壁の側面に備え付けられているコンセントから使っている電気は交流といわれているもので、静岡県の富士川、新潟県の糸魚川より東の地域は50Hz、西の地域は60Hzの周波数として交流の電気は送られています。
※周波数とは、1秒間にプラスとマイナスの極性の変化が繰り返される回数のことで、交流はプラスの極性とマイナスの極性を交互に繰り返しており、上の図のようにプラスの極性とマイナスの極性が1回ずつで1Hz(1サイクル)となります。

どうして周波数が東日本と西日本で分かれているのかというと、昔、東日本はドイツ製、西日本はアメリカ製の発電機を使って電気を作り始めてしまった為に現在も周波数は分かれたままになっています。

交流を使うメリットは、変圧器を使えば電圧を容易に変えることができる、ダイオードで作った整流回路とコンデンサを使った平滑回路があれば交流から直流へ容易に変えることができるが挙げられます。

東日本と西日本では商用の交流電圧の周波数が違うので、東日本と西日本の電化製品の特性が違うと思われるかもしれませんが、最近の電化製品にはインバータ回路(直流を交流に変換する装置)が搭載されていて、電圧と周波数を自在に変化できますので周波数による違いは気にしなくて大丈夫です。
※昔の電化製品には周波数切り替えスイッチがあり、スイッチを使う地域の周波数(50Hz又は60Hz)に合わせて切り替えて使っていた時代がありました。

インバータは交流モーターを使う電化製品の他には蛍光灯にも使われていて、省エネ化にも貢献しています。

交流は直流と違い極性が変化する性質があるので理解しにくいですが、周波数が変化するとどうなるのか、位相が進んだり遅れたりするとどうなるのかを注意深く勉強してもらうことが交流を理解できるポイントとなります。

直流と交流のまとめ

電気の種類には、直流(DC)と交流(AC)があり、時間の経過で極性が変わらないものは直流、変わるものは交流の電気として扱います。

また、乾電池や充電池は直流、電柱の電線から一般家庭にきている電気は交流です。

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