3.電線の絶縁被覆のはぎ取り方法(段むきの簡単な方)
電線の絶縁被覆をはぎ取る方法は、段むきと鉛筆むきの2種類があります。
段むきと鉛筆むきはどちらが簡単かというと段むきです。
ここでは、段むきを使って絶縁被覆をはぎ取る方法(簡単な方)の作業手順を紹介しています。
なお、銅線に傷がついてしまった時は減点されますので、初めから作業をやり直してください。
このページの目次
電線の絶縁被覆のはぎ取り方法の種類
今回は、VVFケーブルやIV線の絶縁被覆のはぎ取り方法について説明します。
電線の絶縁被覆をはぎ取る時に使う方法は、主に、段むきと鉛筆むきの2種類があります。
この電線の絶縁被覆をはぎ取る方法である段むきと鉛筆むきの2つはどうやって使い分ければいいのかというと、次のような作業を行う時です。
- 段むき:電線を器具へ結線する時に使います。
- 鉛筆むき:電線どうしを接続する時に使います。
電気工事を行う時は、このように使い分けをして作業を行うことになっていますが、第二種電気工事士の技能試験では1.6mmや2.0mmの電線を使いますので、どちらの方法で作業を行っても良いことになっています。
したがって、段むきと鉛筆むきの両方の方法で1度絶縁被覆をはぎ取ってみて、自分が作業しやすいと思った方を使ってもらえれば大丈夫です。
下の写真に段むきと鉛筆むきの2つのむき方を紹介します。黒色の絶縁被覆は段むき、白色の絶縁被覆は鉛筆むきでむいてあります。
2つの絶縁被覆のむき方の違いは次の通りです。
- 段むき(上の写真で黒色の線)
- 絶縁被覆がきれいに直角に切れます。
- 鉛筆むき(上の写真で白色の線)
- 鉛筆削りのように滑らかになります。
違いはわかりましたでしょうか。この2つの段むきと鉛筆むきは、どちらの方法が簡単に作業ができるかというと段むきの方です。
ですので、ここからは鉛筆むきよりも簡単な方法の段むきについて説明していきます。
なお、この段むきにも簡単な方法と難しい方法の2種類がありますので、各人で作業がしやすい方で行ってください。
以下では、簡単な方の段むきの作業手順を説明しています。
段むきで電線の絶縁被覆をはぎ取る手順(簡単な方)
簡単な方の段むきを使って電線の絶縁電線をはぎ取る時は、電工ナイフで絶縁被覆に切り込みを入れた後に引っこ抜くだけの作業です。
特に難しいことはないので少し練習すればできるようになると思います。
手順1.絶縁被覆に切り込みを入れます
電線を手で持って切り込みを入れるところの裏側を指で押さえながら、電工ナイフを使って絶縁被覆に切り込みを入れていきます。
※絶縁被覆を回しながら周りに一周切り込みを入れてください。
作業を行う時は机の上に電線を固定するのではなく、必ず手で持って行ってください。
切り込みを入れる時に注意することは、芯線(銅線)に傷がつかないように力加減を調整することです。力が強いと銅線に傷がついて、力が弱いと絶縁被覆に切り込みが入らないのではぎ取りができません。
初めは銅線に傷が付いてしまうと思いますが何回でも練習して慣れてください。
絶縁被覆に一周切り込みを入れると下の写真のようになります。
手順2.絶縁被覆を回します
絶縁被覆を回すと切り込みを入れたところで切断できるので、切断できたら引っ張って銅線から抜き取ってください。
なお、少し回しても絶縁被覆が切断できなかったら切り込みが浅い状態なので、もう一回電工ナイフを使って切り込みを入れてください。
※力を入れ過ぎると銅線に傷がつくので気を付けて作業をしてください。
手順3.絶縁被覆を引き抜きます
銅線から絶縁被覆がきれいにはぎ取れましたら完成です。
最後に忘れてはいけないことは、すべての作業が終わりましたら、切り込みを入れた箇所の銅線にキズがついていないか確認することです。
もし、キズがついていたら技能試験では減点の対象になりますので切り込みを入れた箇所で電線を切って初めから作業をやり直してください。
実際の電気工事を行う時もどこの現場でも銅線にキズがついている電線は使ったらいけませんよ。