8.電線の輪の作り方
電線の輪とは、絶縁被覆をむいた電線の芯線を輪の形に加工した電線のことです。
電線の輪の作り方は、VVFケーブルのシースと絶縁被覆をはぎ取ってペンチを使って行います。
第二種電気工事士の技能試験では露出形配線器具は電線を輪の形に加工して端子に接続しなければいけないので輪の作り方をしっかり覚えておいてください。
このページの目次
電線の輪について
電線(芯線)の輪とは、電線の銅線を輪の形に加工した状態のことです。
露出形配線器具の結線をするには、芯線を輪の形に加工しなければいけません。
どうしてかと言うと、露出形配線器具への接続部分はねじ止めになっているからです。一般的に、ランプレセプタクル、露出形コンセント、露出形スイッチは芯線を輪にしてねじ止めをします。
芯線を輪に加工するのはなかなか面倒な作業です。
ですので、芯線を輪にするのが面倒なので絶縁被覆をむいてそのまま芯線がまっすぐの状態でねじ止めしようと考えている方がいますが、このような作業をしてしまうと技能試験には合格しませんので気をつけてください。
電線を引っ張った時に輪になっていれば接続部分から抜けにくくなりますが、もし輪になっていなくて芯線をまっすぐの状態でねじ止めしたらどうなりますか?
輪の形にして接続した時よりも抜けやすくなるので実際の使用環境では危険だと思います。
露出形配線器具の接続には電線を輪の形にして行うと覚えましょう。
電線の輪の加工方法
電線の輪がわかったところで、次は、実際に電線の輪を加工して作ってみましょう。
電線の輪の加工方法の手順は、
- 電線の絶縁被覆をはぎ取る
- 電線の芯線を90°折り曲げる
- 電線を輪の形に加工する
の3ステップで輪にできます。
電線の輪の作り方は、慣れるまで時間がかかるので難しいと思うかも知れませんが、何回でも練習すれば綺麗な形に加工できるようになりますので頑張りましょう。
電線の輪の作り方の加工手順を紹介しますので技能試験の作業を行う時の参考に使ってください。
手順1.ケーブルのシースと絶縁被覆をはぎ取ります
VVFケーブルのシース(外部被覆)をはぎ取ります。次に、絶縁被覆をペンチの長さくらいとなるようにはぎ取ります。
(上の写真の黒い被覆が絶縁被覆です)
手順2.電線をペンチで握ります
絶縁被覆から2mmくらい隙間を空けて、芯線をペンチでしっかり握ります。
手順3.電線を90度折り曲げます
電線の芯線をペンチを使って90度の角度に折り曲げます。
折り曲げる角度は、90度以上でも以下でもありません。90度ではない角度に折り曲げると上手に輪の形にできないので必ず90度に折り曲げてください。
したがって、上手に輪にする時の折り曲げる角度のコツは90度です。
手順4.電線の先端を折り曲げていきます
芯線の先端をペンチで輪の形となるように折り曲げていきます。
(先端をどのように折り曲げると上手に輪の形になるのか練習が必要になります)
手順5.輪の形に加工します
引き続き芯線の先端をペンチで握って、最後に、芯線の根元に向けて輪になるように曲げていきます。
曲げ方はいろいろありますので自分が曲げやすいようにいろいろ工夫してください。
輪の形が完成した時は、下の写真のようになります。
輪を作る時は基本的に時計回り(右回り)に巻いていってください。
輪を作る作業は難しいですので慣れるまで時間がかかります。何回でも練習してできるようになってください。