直列・並列合成抵抗の求め方と問題の解き方(第二種電気工事士の筆記試験対策)

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2.直列合成抵抗と並列合成抵抗の要点・公式・問題

第二種電気工事士の筆記試験には、電気理論として、直列合成抵抗と並列合成抵抗の問題が出題されます。

直列合成抵抗は直列に接続された抵抗を1つにまとめたもの、並列合成抵抗は並列に接続された抵抗を1つにまとめたもののことです。

試験に出題される確率はとても高いので、直列合成抵抗と並列合成抵抗を計算する公式をしっかり覚えてください。

このページの目次

合成抵抗と等価回路とは

直列抵抗の等価回路

合成抵抗とは、回路にいくつかの抵抗が接続されている時、その抵抗をひとまとめにした状態のことをいいます。

そして、いくつかの抵抗を1つにまとめて回路図に表したものを等価回路といいます。

上の図で説明すると、R1、R2、R3の3つの抵抗をRの1つの抵抗に合成してまとめたものを合成抵抗、回路図に表したものを等価回路といいます。

合成抵抗は、回路にいくつか接続されている抵抗をどのように合成してまとめるかの違いによって、主に、直列合成抵抗もしくは並列合成抵抗の2つにわかれます。

回路に接続されている抵抗が直列抵抗なのか並列抵抗なのかで計算式が異なりますので、抵抗を合成する時は合成方法を間違えないように覚えてください。

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直列合成抵抗の計算方法

直列回路の直列合成抵抗

上の図のように、抵抗が直列に接続されている回路のことを、直列抵抗回路といいます。

直列抵抗回路に1つ1つばらばらになって接続されているR1、R2、R3の抵抗をRにまとめていますが、直列にばらばらに接続されている抵抗を1つにまとめることを直列合成抵抗といいます。

直列合成抵抗を求める公式は、

直列抵抗を求める公式

となります。

直列合成抵抗を求める時は、それぞれの抵抗値を普通に足し合わせていけば計算できるので難しくありませんよね。抵抗がいくつ接続されていてもそのままの抵抗値をすべて足し合わせてください。

例えば、R1=10Ω、R2=20Ω、R3=30Ωの場合の直列抵抗回路では、10+20+30=60Ωが直列合成抵抗値となります。

どうでしたか。直列合成抵抗の計算は足し合わせていくだけなので難しくないですよね。

問題なのは下記で説明する並列合成抵抗を求める時です。ちょっと複雑でわかりにくい式になりますが頑張ってついてきてください。

並列合成抵抗の計算方法

並列回路の並列合成抵抗

上の図のように、抵抗が並列に接続されている回路のことを、並列抵抗回路といいます。

並列抵抗回路に1つ1つばらばらになって接続されているR1、R2、R3の抵抗を1つのRにまとめたものを並列合成抵抗といいます。

R1、R2、R3の抵抗がこのような状態で接続されている場合は、並列合成抵抗を計算するのに少しコツが必要になります。

なぜなら、並列合成抵抗を求めるには、直列合成抵抗を求める時のように普通に抵抗値を足し算するだけでは答えがでないからです。

では、どのように計算するのかと言うと、それぞれの抵抗値を逆数にして足していかなければいけません。

逆数とは何分の1という意味です。例えば、5という数値があれば逆数は5分の1となります。

並列に接続された抵抗値の計算は、少し複雑になりますが計算式を覚えてしまいましょう。

並列合成抵抗を求める公式は以下のようになります。

並列合成抵抗を求める公式

この式を見てもらうと、並列抵抗回路に接続されているそれぞれの抵抗値を逆数にして足し合わせた後に、最後にもう一回逆数にして答えを出します。抵抗がいくつ接続されていても考え方は同じで、それぞれの抵抗値を逆数にしてすべて足し算した後にさらに逆数にして計算します。

例えば、R1=10Ω、R2=20Ω、R3=30Ωの場合の並列抵抗回路では、

並列合成抵抗の計算

が並列合成抵抗値となります。

どうでしたか。並列合成抵抗の計算は難しいというか、分数の計算が面倒ですよね。

合成抵抗の計算は電気理論の基本ですし、回路設計の仕事にたずさわる人は計算式を使う機会が多いのでしっかり覚えてください。

直並列回路の合成抵抗の計算方法

直並列回路の合成抵抗の計算

直並列回路とは、上の図のように、直列に接続されている抵抗と並列に接続されている抵抗が組み合わされている回路のことをいいます。

直並列回路は回路の構成が複雑になりますが、直列合成抵抗と並列合成抵抗の計算方法がわかれば簡単に計算できます。

直並列回路の合成抵抗を計算する時は、直列に接続されたいくつかの抵抗の合成抵抗と並列に接続されたいくつかの抵抗の合成抵抗を計算して、その後にそれぞれの合成抵抗を足し合わせてもらえれば解くことができます。

それでは、上の図の直並列回路の合成抵抗を計算してみましょう。

直列に接続されているR1、R2の合成抵抗の計算方法は、抵抗値を普通に足し合わせればいいので次のようになります。

直列回路の合成抵抗の計算

並列に接続されているR3、R4の合成抵抗の計算方法は、抵抗値を逆数にして足し合わせていくので次のようになります。

並列回路の合成抵抗の計算

直列合成抵抗の値と並列合成抵抗の値を足し合わせると直並列回路の合成抵抗の値になるので、7Ω+4Ω=11Ωとなります。

直列合成抵抗と並列合成抵抗の求め方がわかったところで、下の問題を解いて直列合成抵抗と並列合成抵抗を計算するコツをつかみましょう。

直列合成抵抗と並列合成抵抗の問題を解いてみよう

次の直列合成抵抗と並列合成抵抗に関する問題を解いて力をつけてください。

問題3のような、直列合成抵抗と並列合成抵抗が組み合わせられた問題はよく出題されますので試験までに必ず解けれるようにしておいてください。

問題1

次のように、3Ωと5Ωの抵抗が直列に接続されている時の合成抵抗を求めよ。

直列抵抗の問題

考え方:抵抗が直列に接続されている場合は、すべての抵抗値を普通に足していけば合成抵抗は求められます。

答え:

直列接続された抵抗の問題の答え

問題2

次のように、3Ωと6Ωの抵抗が並列に接続されている時の合成抵抗を求めよ。

並列接続された抵抗の問題

考え方:抵抗が並列に接続されている場合は、それぞれの抵抗値を逆数にして足し合わせて、最後にまた逆数にすれば合成抵抗は求められます。

答え:

並列抵抗の問題の答え

問題3

次のように、3Ωと5Ωの抵抗が直列に接続されているところに、12Ωの抵抗が並列に接続されている時の合成抵抗を求めよ。

並列抵抗の問題

考え方:3Ωと5Ωの直列合成抵抗を計算すると8Ωになります。次は、8Ωと12Ωの並列の合成抵抗を公式を使って求めてください。

答え:

並列抵抗の問題の答え
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