パイロットランプの複線図(常時点灯、同時点滅、異時点滅)の描き方(第二種電気工事士の技能試験対策)

第二種電気工事士

初めて受ける第二種電気工事士

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6.パイロットランプの複線図の描き方

パイロットランプは、スイッチの場所やスイッチの状況を確認する為に使うランプです。

パイロットランプの回路の複線図は、常時点灯、同時点滅、異時点滅の3種類があります。

それぞれの回路は配線方法が異なりますので、3タイプの複線図の作業手順をしっかり覚えてください。

なお、第二種電気工事士の技能試験では常時点灯回路が出題されやすいです。最低でも常時点灯回路の複線図は描けれるようにしておいてください。

このページの目次

パイロットランプを接続した単線図を複線図に変換する方法

パイロットランプとスイッチが配線された単線図

上の図は、パイロットランプがスイッチと同じ箇所に設置してあり、1つのスイッチで1つの電灯をオンオフする単線図の電気配線回路図です。

パイロットランプとは、夜などの暗い時にスイッチの位置を確認したり、スイッチに接続した機器の運転状況を確認する為に使うランプです。

パイロットランプの点灯・点滅方法は、常時点灯、同時点滅、異時点滅の3種類あります。

常時点灯
スイッチがONの状態でもOFFの状態でもパイロットランプが光り続ける点灯方法です。昼夜関係なくスイッチの位置を確認する目的で使います。
同時点滅
スイッチがONの状態ではパイロットランプは点灯して、スイッチがOFFの状態ではパイロットランプは消灯する点滅方法です。スイッチにつながれた換気扇などの機器がONなのかOFFなのかの運転状況を確認する目的で使います。
異時点滅
スイッチがONの状態ではパイロットランプは消灯して、スイッチがOFFの状態ではパイロットランプは点灯する点滅方法です。周りが暗い時にスイッチの位置を確認する目的で使います。
※一般住宅のトイレなどの照明器具に使われているスイッチのパイロットランプは異時点滅しているほたるランプです。

パイロットランプの配線方法は、常時点灯、同時点滅、異時点滅でそれぞれ違います。

第二種電気工事士の技能試験では、常時点灯で出題されることが多いですが、パイロットランプの配線図も電気工事を行う時の基本となる回路ですので、電源から流れた電気がどのような経路を通って流れているのか、同時点滅と異時点滅を含めた3つの配線方法の理屈がわかるようにしっかり覚えましょう。

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パイロットランプの常時点灯回路の複線図の書き方

それでは、上記の電灯とスイッチとパイロットランプが接続されている時の単線図の電気配線図面をパイロットランプが常時点灯する複線図に書き換える方法を考えて見ましょう。

パイロットランプの常時点灯回路は、昼や夜を問わずスイッチの位置を確認したい時に使います。

パイロットランプを配線する時のわかりやすい方法としては、スイッチと電灯の回路を完成させた後に、パイロットランプの接続をどのようにすればいいのか考えるようにすればすんなりと配線できると思います。

手順1

まずは、パイロットランプとスイッチと電灯の器具に接続する電線の本数は何本必要なのかを考えましょう。

必要な電線の本数は、

  • 電源:2本
  • 電灯:2本
  • スイッチ:2本
  • パイロットランプ:2本

となるので、下の図のように、電源、電灯、スイッチ、パイロットランプからは2本の線を描きます。

電源は理解しやすいように、プラス・マイナスで書かれていますが、プラスとは非接地側又はHotのこと、マイナスとは接地側又はColdのことです。

パイロットランプとスイッチと電灯の電線の本数を考える

手順2

次は、スイッチと電灯回路を完成させます。

下の図のように、電源のプラス(非接地側)、スイッチ、電灯、電源のマイナス(接地側)を線でつなぎ合わせてください。

電気の流れを考えると、赤い矢印のように電源のプラス(非接地側)からスイッチ、電灯を通って電源のマイナス(接地側)へ流れますので正しいですよね。

電源プラスとスイッチと電灯と電源マイナスを接続

手順3

最後は、パイロットランプの配線を考えます。

パイロットランプの常時点灯回路は、スイッチのON/OFFは一切関係なしにパイロットランプは点灯し続けなければいけないので、下の図のようにスイッチを通さず(スイッチの非接地側と電灯の接地側)に配線してください。

電気の流れを考えると、赤い矢印のように電源プラス(非接地側)からパイロットランプ、パイロットランプから電源マイナス(接地側)に向かって流れますので正しいですよね。

これで、パイロットランプの常時点灯回路の複線図は完成です。パイロットランプを電源と並列に接続するだけですので簡単でしたね。

パイロットランプの常時点灯回路の複線図

パイロットランプの同時点滅回路の複線図の書き方

パイロットランプの同時点滅回路の複線図もパイロットランプの常時点灯回路と同じようにスイッチと電灯回路の配線を完成させた後にパイロットランプの接続方法を考えるとわかりやすいです。

パイロットランプの同時点滅回路は、スイッチがONの時は点灯、スイッチがOFFの時は消灯となる配線方法なので、パイロットランプの配線はスイッチの後に接続させなければいけないことがわかります。

下の図のように、パイロットランプをスイッチの接地側と電灯の接地側に配線してください。

電気の流れを考えると、スイッチをOFFにすると流れず、スイッチをONにすると赤い矢印のように電源プラス(非接地側)からスイッチを通ってパイロットランプ、パイロットランプから電源マイナス(接地側)に向かって流れますので正しいですよね。

これで、パイロットランプの同時点滅回路の複線図は完成です。パイロットランプを電灯と並列に接続するだけですので簡単でしたね。

パイロットランプの同時点滅回路の複線図

パイロットランプの異時点滅回路の複線図の書き方

パイロットランプの異時点滅回路の複線図もパイロットランプの常時点灯回路と同じようにスイッチと電灯回路の配線を完成させた後にパイロットランプの接続方法を考えるとわかりやすいです。

パイロットランプの異時点滅回路は、スイッチがONの時は消灯、スイッチがOFFの時は点灯となる配線方法なので、パイロットランプの配線はスイッチの前に接続するのか後に接続するのかこんがらがると思います。

パイロットランプの異時点滅回路の理屈は、パイロットランプは内部抵抗が大きいのでスイッチをOFFにしているとパイロットランプに電流が流れますが、スイッチをONにするとパイロットランプではなくスイッチに電流が流れるようになります。
※電流は抵抗値が大きい方よりも小さい方の導体(物質)をたくさん流れる性質があります。

なぜ、パイロットランプが点灯しているのに電灯は点灯しないのかというと、内部抵抗が大きいパイロットランプで回路に流れる電流値が小さくなり、電灯は点灯できる電流値に達しない為です。
※パイロットランプは小さな電流値でも点灯します。

したがって下の図のように、パイロットランプをスイッチの非接地側とスイッチの接地側に配線してください。

電気の流れを考えると、スイッチがOFFの時は赤い矢印のように電源プラス(非接地側)からパイロットランプ、パイロットランプから電灯(電灯は点灯しない)、電源マイナス(接地側)に向かって流れ、スイッチをONにすると電源プラス(非接地側)からスイッチを通って、電灯、電源マイナス(接地側)に向かって流れますので正しいですよね。

これで、パイロットランプの異時点滅回路の複線図は完成です。少し難しかったですが、パイロットランプをスイッチと並列に接続すれば異時点滅となります。

パイロットランプの異時点滅回路の複線図

パイロットランプとスイッチと電灯が接続された回路の単線図を複線図に変える方法はわかりましたか?

パイロットランプの複線図は、

  • 常時点灯回路はスイッチの前で電源と並列
  • 同時点滅回路はスイッチの後ろで電灯と並列
  • 異時点滅回路はスイッチと並列

につなげばいいです。

パイロットランプを点灯するには、電気が電源のプラス(非接地側)からスイッチを通らずにパイロットランプに流れるか、スイッチを通ってパイロットランプに流れるか、パイロットランプと電灯を流れるかがあることを覚えておいてください。

パイロットランプの点灯・点滅の仕組みを何回でも見て目に焼き付けて理解してください。

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