絶縁電線の許容電流の計算方法と問題の解き方(第二種電気工事士の筆記試験対策)

第二種電気工事士

初めて受ける第二種電気工事士

~筆記・技能試験対策~電気が苦手というあなたへ~

第二種電気工事士

10.絶縁電線の許容電流の計算方法

絶縁電線は、電気を安全に使用する為の許容電流値があります。

許容電流値の計算式は、絶縁電線の許容電流×電流減少係数なので難しくありません。

毎回の試験には許容電流の計算問題が1問出題されますので計算式を覚えて解けれるようにしてください。

このページの目次

許容電流の求め方

絶縁電線の許容電流の計算

許容電流とは、電線に流しても安全とされる電流値のことです。

電線に電流が流れると電線が発熱する現象が発生することをご存じでしょうか。

暖房器具や電気ケトルを使うとコードが少し熱くなりますよね。それと同じように許容電流値以内で使えば大丈夫ですが、それ以上で使うと電線が異常に発熱して電線の被覆が溶けてしまう恐れがでてきます。

したがって、許容電流値以上の電流を電線に流すと火災の原因になり大変危険なので配線工事をする時は必ず計算してください。

許容電流を求める手順は、次の通りに行ってください。

  1. 単線は直径、より線は断面積を使って下の表から絶縁電線の許容電流の値を探します。
  2. 下の表から電線管に収めた時の電流減少係数を探します。
  3. 探し出したそれぞれの値を掛け合わせます。

電流減少係数の役割は次の通りです。

電流減少係数とは
導体は、温度が高くなると抵抗率が大きくなる性質があります。
抵抗率が大きくなると電流を通しにくくなるので、電線管に電線やケーブルを入れて配線、電線をシースで覆ったケーブルで配線する時は、安全のことを考えて必ず電線減少係数を絶縁電線の許容電流に掛け合わせて許容電流を減らす計算をしなければいけません。電線の本数が多い程、電線に流せる電流は少なくなります。

つまり、許容電流の計算式は次のようになります。

  • 管内に収めた時の許容電流=単線又はより線の絶縁電線の許容電流×電流減少係数

例えば、絶縁電線の許容電流が27[A]、電流減少係数が0.7であったら、27×0.7=18.9[A]が正しい許容電流であると計算できます。

このように、許容電流を計算する手順は、絶縁電線の許容電流と電流減少係数の値を探し出して、その値を掛け合わせるだけですので難しくはないと思います。

スポンサーリンク

単線・より線、コードの許容電流と電流減少係数

許容電流を求める時に注意することは、単線の場合とより線の場合で絶縁電線の許容電流の値は異なってきますので気をつけてください。

下に、単線・より線、コードの許容電流と電線を電線管などに収めた時の電流減少係数を載せますので計算する時は参考に使ってください。

絶縁電線の許容電流(単線)
単線(直径[mm])許容電流[A]
1.627
2.035
2.648
3.262
絶縁電線の許容電流(より線)
より線(断面積[mm2])許容電流[A]
2.027
3.537
5.549
8.061
1488
22115
コードの許容電流
導体(断面積[mm2])許容電流[A]
0.757
1.2512
217
3.523
電線を電線管などに収めた時の電流減少係数
管内の電線数電流減少係数
3本以下0.7
4本0.63
5本、6本0.56

絶縁電線の許容電流の練習問題を解いてみよう

次の絶縁電線の許容電流に関する問題を解いて力をつけてください。

問題1~2のような、電線管に電線を収めた時の許容電流を問う問題はよく出題されますので試験までに必ず解けれるようにしておいてください。

問題1

電線管(PF管)に直径1.6mmの600Vビニル絶縁電線(銅導体)3本を収めた場合、電線1本当たりの許容電流はいくらか?
ただし、周囲温度は30℃以下とする。

考え方:まず上の表から、電線(単線)の時の許容電流と電線管などに収めた時の電流減少係数を探しましょう。

次の値が見つかりましたよね。

  • 許容電流=27[A]
  • 電流減少係数=0.7

許容電流と電流減少係数が見つかったら、その値を掛け合わせれば答えが出ます。
※管内に電線を収めて配線する時は、必ず電流減少係数を掛け合わせてください。

答え:管内に収めた時の電線許容電流=27×0.7=18.9[A]

問題2

断面積5.5mm2の600Vビニル絶縁電線(銅導体)4本を合成樹脂電線管に収めた場合、電線1本当たりの許容電流はいくらか?
ただし、周囲温度は30℃以下とする。

考え方:まず上の表から、電線(より線)の時の許容電流と電線管などに収めた時の電流減少係数を探しましょう。

次の値が見つかりましたよね。

  • 許容電流=49[A]
  • 電流減少係数=0.63

許容電流と電流減少係数が見つかったら、その値を掛け合わせれば答えが出ます。
※管内に電線を収めて配線する時は、必ず電流減少係数を掛け合わせてください。

答え:管内に収めた時の電線許容電流=49×0.63=30.87[A]

問題3

600Vビニル絶縁シースケーブル平形(VVF)、直径2mm、3心の許容電流はいくらか?
ただし、周囲温度は30℃以下とする。

考え方:まず上の表から、電線(単線)の時の許容電流と電線管などに収めた時の電流減少係数を探しましょう。

次の値が見つかりましたよね。

  • 許容電流=35[A]
  • 電流減少係数=0.7

許容電流と電流減少係数が見つかったら、その値を掛け合わせれば答えが出ます。
※ケーブルを電線管に収めていませんが、ケーブルは電線を収めて作られているので電流減少係数も忘れずに掛け合わせましょう。

答え:VVFの電線許容電流=35×0.7=24.5[A]

スポンサーリンク
inserted by FC2 system