2.点滅器の配線用図記号の基礎知識
電気工事を行う時は設計者が作成した電気図面に描かれている配線用図記号を見て行います。
点滅器とはスイッチのことで、単極スイッチ、3路スイッチ、4路スイッチなど、いろいろな図記号がありますので、各図記号は何を表しているのか名称とその説明を理解してください。
点滅器の図記号は試験に出題される確率は高いのでしっかり覚えてください。
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配線用電気図面で使う点滅器の図記号の名称と意味
電気工事はやみくもに行うのではなく、建築の図面に配置された電気設備の図記号に従って工事を行っていくので、点滅器の図記号の名称と意味を理解する必要があります。
基本となる点滅器は、単極スイッチ(タンブラスイッチ片切り)です。
単極スイッチの図記号の右側に添え字で、3路(3)、4路(4)、プル(P)、確認表示灯内蔵(L)などと付け加えてスイッチのバリエーションを増やしていきます。
ここでは、第二種電気工事士の筆記試験や技能試験によく出題される、点滅器(スイッチ)等の配線用図記号の名称とその説明について簡単にまとめました。
単極スイッチ、3路スイッチは比較的出題されやすい傾向がありますので、どの図記号が何を表しているのかしっかり覚えてください。
図記号 | 名称・説明 |
---|---|
単極スイッチ | |
説明:1つのスイッチで、1回路のON/OFFの操作ができるスイッチのことです。タンブラスイッチ(片切り)ともいわれており、一般住宅の照明器具のスイッチとして広く使われています。(片切りの他に両切りという種類のスイッチもあるので間違えないようにしてください。) | |
3路スイッチ | |
説明:添え字で3と書かれていたら、2カ所の場所(2カ所に設置した3路スイッチ)から、電灯などを点灯させたり消灯させたり操作ができるスイッチのことです。例えば、階段にある電灯は1階と2階に設置した3路スイッチでON/OFFすることが普通です。 | |
4路スイッチ | |
説明:添え字で4と書かれていたら、3カ所以上の場所(3カ所以上に設置した3路スイッチと4路スイッチの組み合わせ)から、電灯などを点灯させたり消灯させたり操作ができるスイッチのことです。例えば、3カ所からON/OFFできるようにするには、3路スイッチ2つと4路スイッチ1つで回路を構成して使います。4カ所からON/OFFできるようにするには、3路スイッチ2つと4路スイッチ2つで回路を構成して使います。 | |
パイロットランプ (確認表示・位置表示などに使う) | |
説明:パイロットランプは、機器の運転状況や暗闇でのスイッチの位置をわかりやすくして操作をしやすくする為に設置します。パイロットランプの点灯・点滅の仕方は、常時点灯、同時点滅、異時点滅の3種類あります。常時点灯は、スイッチのON/OFFに関係なく常に点灯しています。同時点滅は、スイッチをONにするとランプは点灯、スイッチをOFFにするとランプは消灯します。異時点滅は、スイッチをONにするとランプは消灯、スイッチをOFFにするとランプは点灯します。 | |
プルスイッチ | |
説明:添え字でPと書かれていたら、蛍光灯や換気扇のように、ひもを引くことで電気を流したり閉じたり操作ができるスイッチのことです。 | |
確認表示灯内蔵スイッチ | |
説明:添え字でLと書かれていたら、普通はスイッチにパイロットランプは内臓されていませんが、確認表示灯内蔵スイッチはあらかじめパイロットランプを内蔵してあるスイッチのことです。スイッチONで内臓ランプは点灯、スイッチOFFで内臓ランプは消灯します。スイッチにつながっている機器の運転状態(ON/OFF)がランプの点灯と消灯を見れば確認できます。 | |
位置表示灯内蔵スイッチ | |
説明:添え字でHと書かれていたら、夜など暗い場所でスイッチの位置を確認するために、パイロットランプを内蔵してあるスイッチのことです。身近なものでは、ほたるスイッチ(スイッチONで内蔵ランプが消灯、スイッチOFFで内蔵ランプが点灯)が該当します。 | |
防雨形スイッチ | |
説明:添え字でWPと書かれていたら、雨などがスイッチにかかって濡れてもいいように、防水対策が施されているスイッチのことです。 | |
自動点滅器 | |
説明:添え字でAと書かれていたら、周りが暗くなると電灯を点けて、明るくなると電灯を消す作業を自動で行ってくれるスイッチのことです。 | |
調光器 | |
説明:蛍光灯などの照明器具の明るさを明るくしたり暗くしたり調整できるスイッチのことです。 | |
リモコンスイッチ | |
説明:添え字でRと書かれていたら、いくつかある電灯などの照明器具を、リモコンスイッチを設置した場所から遠隔操作でON/OFFできるスイッチのことです。リレーと一緒に使います。 | |
リモコンセレクタスイッチ | |
説明:たくさんある電灯などの照明器具を1箇所の場所から集中管理、遠隔操作できるスイッチのことです。リレーと一緒に使います。 | |
リモコンリレー | |
説明:照明などをリモコン制御(遠隔操作)する時に使われるリレーのことです。 |
点滅器の図記号の練習問題を解いてみよう
次の点滅器の図記号に関する問題を解いて力をつけてください。
問題1~3のような、単極スイッチ、3路スイッチ、4路スイッチを問う問題はよく出題されますので試験までに必ず解けれるようにしておいてください。
問題1
次の図記号の名称は何か答えよ。
- イ.3路スイッチ
- ロ.4路スイッチ
- ハ.プルスイッチ
- 二.単極スイッチ
考え方:添え字がなく黒丸だけの図記号は単極スイッチ(タンブラスイッチ片切り)のことです。上の点滅器の配線用図記号の表を確認しましょう。
答え: ニ
問題2
2カ所の場所(2カ所に設置したスイッチ)から照明器具をON/OFFしたい時は、3路スイッチをいくつ設置すればよいか。
- イ.3路スイッチ1つとパイロットランプ1つ
- ロ.3路スイッチ1つと単極スイッチ1つ
- ハ.3路スイッチ1つと4路スイッチ1つ
- 二.3路スイッチ2つ
考え方:3路スイッチは何をする目的のスイッチなのか理解しましょう。
答え: ニ
問題3
5カ所の場所(5カ所に設置したスイッチ)から照明器具をON/OFFしたい時は、3路スイッチと4路スイッチをいくつずつ設置すればよいか。
- イ.4路スイッチ1つと3路スイッチ4つ
- ロ.4路スイッチ2つと3路スイッチ3つ
- ハ.4路スイッチ3つと3路スイッチ2つ
- 二.4路スイッチ5つ
考え方:4路スイッチは3カ所以上の場所から照明器具をON/OFFする時に使うスイッチですが、すべて4路スイッチで回路を構成するのではなく3路スイッチと4路スイッチを組み合わせて回路を作ります。
3カ所でON/OFFする時は4路スイッチ1つと3路スイッチ2つ、4カ所でON/OFFする時は4路スイッチ2つと3路スイッチ2つ、6カ所でON/OFFする時は4路スイッチ4つと3路スイッチ2つというように、必ず3路スイッチが2つ必要になります。
答え: ハ