電灯と点滅器の単線図を複線図にする方法(第二種電気工事士の技能試験対策)

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1.電灯と点滅器の複線図の描き方

電灯と点滅器(スイッチ)は、直列に接続して使う配線器具です。

単線図を複線図に正確に書き換えれるようにするには、電気(電流)はどこからどこに向かって流れるのかという電気の性質を覚えることです。

ここでは、電灯1つ、点滅器1つ接続されている1灯点滅回路の配線図(単線図)を複線図に書き換える方法の作業手順を紹介しています。

このページの目次

1灯点滅回路の複線図の考え方

電灯・点滅器の配線図(単線図)

上の図は、電灯と点滅器を1つずつ使った1灯点滅回路図です。

このような点滅器を使った回路は、電気工事を行う時の基本となる回路です。どんなに複雑な回路になっても、この電灯と点滅器の回路の複線図の考え方を応用したものになります。

それでは、電灯と点滅器に電線を配線する方法について考えていきましょう。

現場で使う電気図面の電気回路図は基本的に単線で書かれていますので、その単線を複線に書き換えなければ配線工事ができません。

初めに、電気の考え方ですが、電気(電流)はプラス(+)から出てマイナス(-)に戻ってくる性質があることを覚えておきましょう。

電気にはプラスとマイマスがあるということは、プラスの線とマイナスの線の2本必要になることがわかりますよね。

複線図が描けるか描けないかは、電源のプラス側(非接地側)から流れた電気(電流)は電源のマイナス側(接地側)に流れるという電気の性質を知っているかいないかで大きく変わってきます。

つまり、電源のプラス側から線をたどっていって点滅器と電灯を経由して電源のマイナス側へ戻ってこれるように線が描いてあれば正しい配線が施してあると思ってください。

もし、電源のプラス側の線からたどっていって点滅器と電灯を経由してマイナス側にたどり着けなかった場合は間違っている複線図を描いていることになります。

そうしますと、下の図のように電気の流れは電源のプラス→点滅器→電灯→電源のマイナスの方に向かって流れていくと、スイッチをONにして電灯を点灯させる、スイッチをOFFにして電灯を消灯させることができるようになります。

電灯・点滅器の配線の電流の流れ

必ず、電気はどのように流れるのか覚えておいてください。

なお、技能試験の勉強をしていると点滅器という言葉がよくでてきますが、点滅器とはスイッチのことです。家の中でも、部屋、トイレ、台所などで毎日使っていますよね。スイッチをON/OFFすると電灯を点けたり消したりすることができます。

電灯と点滅器の単線図を複線図に変換する方法

電灯・点滅器の配線図(単線図)

それでは、電灯と点滅器(スイッチ)の2つの器具を使った上の回路図の複線図を考えていきましょう。

手順1

まずは、それぞれの器具(電灯、点滅器)に接続する電線の本数は何本必要なのかを考えましょう。

必要な電線の本数は、

  • 電源:2本
  • 電灯:2本
  • 点滅器:2本

となるので、下の図のように、電源、電灯、点滅器から2本の線を描きます。

複線図を描くのに必要な各器具(電源、電灯、点滅器)の電線の数

電源は理解しやすいように、プラス・マイナスで書かれていますが、プラスとは非接地側又はHotのこと、マイナスとは接地側又はColdのことです。

ここからは、わかりやすくする為に、電源のプラス→点滅器→電灯→電源のマイナスという電気(電流)の流れを意識して考えていきます。

手順2

次は、電源のプラスから点滅器を経由して電灯までの複線図を考えます。

電源のプラスから出ている線を点滅器につなげて、点滅器から出ている線を電灯につなげれば、電源のプラスから電灯までの線は描けそうですよね。

したがって、電源のプラスから電灯までの配線の複線図は下の図のようになります。

電気の流れを考えると、赤い矢印のように電源の非接地側から点滅器を通って電灯に流れるので正しい配線です。

電源のプラスから電灯までの配線の複線図

手順3

電源のプラスから電灯までの複線図ができましたら、最後は、電灯から電源のマイナスの配線の複線図を考えてみます。

電源のマイナスと電灯の残りの線は、それぞれ1本ずつしかないので、それぞれの線をつなぎ合わせれば大丈夫そうですよね。

電気の流れを考えると、赤い矢印のように電源の非接地側から点滅器と電灯を通って電源の接地側に流れるので正しい配線です。

電灯・点滅器の配線の電流の流れ

したがって、電灯と点滅器の回路の複線図は下図で完成となります。

電灯・点滅器の配線の複線図

電灯と点滅器の複線図が正しいか間違っているかの判断方法

電灯と点滅器の配線の複線図(間違っている例)

上の回路図は、電灯と点滅器の単線図を間違えて複線図にしてしまうよくある例です。

いままでの説明を踏まえて、上の図のような電灯と点滅器が接続された複線図の回路図は正しいのか考えてみてください。

スイッチが開いている時は、電灯に電気が流れますので点灯しますよね。
※電源と電灯の間に点滅器が接続されていないと電灯は常時点灯します。

スイッチを閉じた時は、電灯よりもスイッチの方が電気が流れやすい(スイッチの方には負荷が接続されていないので)ので、電灯には電気は流れなくなり回路がショートしてしまいます。
※電源に対して電灯と点滅器を並列に接続して点滅器をONにするとショートします。

この回路ではスイッチの役目をはたしていませんし、ショートさせることは危険ですので、この複線図は間違っていることになります。

電灯と点滅器の複線図が正しいか間違っているかの判断方法は、

  • 電灯と点滅器は直列に接続されているか?
  • 電源のプラス→点滅器→電灯→電源のマイナスという電気の流れになっているか?

を確認することです。

電灯と点滅器はセットで直列接続して使うものですので、並列に接続している場合は正しい配線となるように描き直してください。

みなさんは技能試験の候補問題を知っていますか?

第二種電気工事士技能試験に出題される問題は試験日の数カ月前に事前に候補問題を発表しているので、候補問題用の配線図を複線図にする対策本が販売されています。

候補問題の対策本を勉強して覚えれば試験合格の近道ですし、複雑な配線図は出題されないので候補問題の対策本を使わない方は、このサイトで紹介するいろいろな回路の複線図を組み合わせて応用すれば何とかなりますので安心してください。

複線図の勉強を始めて間もない頃は、複線図を描くと頭が混乱してきて難しいように感じますが何回でも練習しているとコツがわかってきますよ。

電灯と点滅器の複線図の描き方が理解できましたら、次は、コンセントの複線図の描き方の勉強を始めてください。

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