電気回路に電気が流れる仕組みと火災や感電の防ぎ方

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5.電気が流れる仕組みを理解して火災や感電を防ぐ

感電を防ぐ方法は、アース線を接続して電気が流れる迂回ルートを作ることです。

電気は電圧の高いところから低いところ(大地)に向けて流れる性質があり、人体とアース線を比べるとアース線の方が電気を流しやすいので万が一電気が漏れても人体に流れる心配がなくなります。

よくあるのが洗濯機に触るとびりびりするという状況です。確実に電気が漏れて感電している状況なのですぐに修理に出すことをおすすめします。

なお、地面は0V(ゼロボルト)として扱うので、対地電圧が大きい(100Vよりも200V)と危険度が増すので気をつけてください。

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電気はどういう時に流れるの?

豆電球と乾電池の閉回路

普段何気なく使っている電気はどういう状態になったら流れるんだろうと疑問に思ったことはありませんか?

部屋の壁に設置されているコンセントや電気店で販売している乾電池は、そのままの状態では電気は流れませんが、コンセントにプラグを差し込んだり電池ボックスに電池をセットすると電気機器は動き出しますよね。

そのままの状態で電気が流れない理由は、空気が絶縁体(電気が流れないもの、又は流れにくいもの)の役割をしているからです。電気は、電源を含めて閉回路になっていないと流れない性質があります。
※電気は、空気という絶縁体が絶縁破壊した場合は開回路でも流れます。雷が落ちた時をイメージしてもらうとわかりやすいですが、雷(電気)は空気が絶縁破壊した結果、流れやすい所を通って地面に到達しているんです。

例えば、上の図のように、豆電球をはめこんだソケットから出ている2本の電線の両端を乾電池(電源)につなぐと閉回路ができ電気が流れだし、電線の両端を乾電池から離すと開回路になるので電気は流れませんよね。

みなさんも実際に経験していると思います。回路の途中にスイッチを設けて、スイッチを入れると点灯する、スイッチを切ると消灯するというようにスイッチを入り切りしても閉・開回路になります。
※回路のどこかで電気の流れを止めれば回路には電気は流れないということです。

なぜ閉回路にすると豆電球が点灯するのかというと、電位が高い方(プラス極)から電位が低い方(マイナス極)へ向かって電流が流れだすからです。
※電子の移動方向は、電流が流れる方向とは逆で、マイナス極からプラス極への方向に移動します。

閉回路にすれば電流が流れるということは、豆電球などの負荷をつなげなくても電源だけで閉回路を構成すれば電流が流れるということです。

豆電球などの負荷はいくらかの抵抗値を持っているので回路に流れる電流値は抑えられていますが、負荷を通さずに閉回路ができると限りなくゼロに近い導線の抵抗値だけに電流が流れ、この状態のことを短絡(ショート)といいます。

回路が短絡すると大電流が流れ導線が熱くなり耐えきれなくなり火花が出て発火して火災になる恐れがあるので大変危険です。

コンセントのプラグから発火する現象とは

コンセントに電化製品のプラグを差しっぱなしにしておくと流れるはずがない電気が流れることが稀にあります。

コンセントに差し込んだままのプラグの刃と刃の間にほこりが溜まり、この状態ではほこりは乾燥しているので電気は流れませんが、湿度が高い季節になるとほこりが湿気を吸い込んでしまいます。不純物を含んだ水は電気を通すのでプラグの刃と刃の間に電気が流れるようになります。

このように、プラグの刃と刃の間にほこりが溜まって発火する現象をトラッキング現象といいます。

この状態が続くと負荷に電気が流れていないいわゆるショートしている状態なので、やがて大きな電流が流れて火災につながります。

普通は回路がショートすると、分電盤についている漏電遮断器が動作して電気の供給を停止しますが、停止する前に出火することもあるので注意する必要があります。

トラッキング現象を防ぐ方法は、プラグの刃の根元部分に絶縁性がある素材のものを取り付けることが適していますが防ぎきれないのが現状です。

人間が感電する仕組み

回路に電位差があると電流が流れる性質を理解できていると人間が感電する仕組みがわかり、未然に感電を防ぐことができます。

例えば、人間が空中で1本の電線に触れているだけなら電位差がないので電流は流れませんが、電線の他に地面に触れてしまうと電位差が生じるので電流が流れます。
※人間は抵抗値がゼロに近く電気が流れやすい導体ではありませんが、約4000Ωの抵抗値を持っているので電気を通します。

普段何気なく家で使っている洗濯機、エアコン、電子レンジなどにはアース線が付属してありますね。アース線は電化製品の漏電による人体への感電を防止する為にあります。

電気は抵抗値が低いものを通って流れる性質があるので、アース線(ゼロΩ位)と人間(4000Ω位)の抵抗値を比べるとアース線の方が抵抗値が低いので、漏電した電気はアース線を通って地面に流れていくので人間は感電せずに助かります。
※人間は水で濡れると抵抗値が下がりさらに電気は流れやすくなるので気をつけましょう。

例えば、次のような状況下で感電した場合に人体に流れる電流を計算すると、

  • 電圧:100V
  • 人間の抵抗値:4000Ω

電圧÷抵抗=100÷4000=25mA流れます。

人間は、50mAくらい電流が流れると死に至ることがあるといわれているので、万が一の為にアース線はコンセントのアース端子に接続しておいた方がいいでしょう。
※電流の計算方法ですが、オームの法則を使えば簡単に計算できます。

では、交流と直流とでは、どちらが危険かというと、日本の電気の法令を見ると、線間電圧が交流で30V以下、直流で45V以下では危険が少ない電圧であるとみなしているので、直流の方が若干安全のように見えますがどちらでもあまり変わらないと思います。

電気が流れる仕組みのまとめ

電気は、回路に電位差があると電圧が高い方から低い方に流れ、電位差がないと流れない性質があります。

電化製品を使用する時は。アース線を必ず接続して感電防止に心がけてください。

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